プロ野球歴代の「打てるキャッチャー」通算打率でベスト10
- 2017.10.10
- キャッチャー
今回は、プロ野球で、歴代の打てるキャッチャーをまとめてみました。
条件は、
1.日本のプロ野球で(MLBでの成績は含めない)、
2.かつ通算出場試合数が1000試合を超えている捕手で、
3.通算打率を基準に
トップ10をランキング。
そのため、試合数が1000試合に満たない選手や、本塁打はたくさん売ったけど打率が低い選手はランキング圏外、なんて場合があります。
また年代での区分は設けていないため、例えば50年前と現在の投手レベルの違いなどを考慮したランキングにはなっておりません。
あくまで「通算打率」を基準にしたランキングトップ10であるとお考え下さい。
それでは参りましょう。
第10位 里崎智也
打率 .256
第10位は千葉ロッテマリーンズで活躍された、里崎智也捕手が通算打率.256でランクイン。
帝京大学時代は強肩もさることながら「打撃を活かすため」に指名打者として出場するくらい、バッティングでも注目を集めていたそうです。
プロ生活はケガとの闘いを強いられてきたイメージの強い里崎選手ですが、2005年の日本一と、2010年の千葉ロッテマリーンズ3位からの「史上最大の下克上」で日本一をつかみ取った時には、どちらも多くの場面で里崎選手のバッティングがチームを勝利へと導いたことは間違いないでしょう。
打率は上位にランクインしませんでしたが、6年連続で2桁本塁打を記録するなど長打力も持ち合わせ、記憶にも記録にも残る打てるキャッチャーの一人ではないでしょうか。
長年ZETTのキャッチャーミットを愛用してきたプレーヤーでもあります。
第9位 田淵幸一
打率 .260
打てるキャッチャー第9位は、阪神タイガースと西武ライオンズで活躍された田淵幸一捕手が通算打率.260でランクイン。
プロ通算474本塁打という、捕手としては圧倒的な長打力を備えながら、打率でも3割を超えるシーズンがあるなど高い確実性も持ち合わされていました。
田淵捕手は1969年から1984年の16年間をプロ野球選手として過ごされました。
バッティングだけでなく、二塁送球のタイムの速さも当時は球界トップクラスだったとか。
第8位 矢野燿大
打率 .274
第8位に打てるキャッチャーとしてランクインしたのは通算打率.274の矢野燿大捕手。
中日ドラゴンズでプロ野球のキャリアをスタートされ、自身2球団目の阪神タイガースで正捕手の座を不動のものにされました。
規定打席到達で打率3割を記録したシーズンが3つもあり、タイトルこそ取れなかったものの、相手チームからしたらまさに恐怖の「打てるキャッチャー」として活躍されました。
2塁送球はもちろん、配球やリードにおいても当時阪神投手陣から絶大な信頼を得ていたといわれています。
長年ZETTのキャッチャーミットを愛用してきたプレーヤーでもあります。
第7位 木俣達彦
打率 .277
第7位には中日ドラゴンズ一筋で19年間プレーされた木俣竜彦捕手が通算打率.277でランクイン。
第9位にランクインした田淵幸一捕手と同時期に活躍された打てるキャッチャーです。
本塁打数や打率ももちろんすごいのですが、何より現役生活19年の中で、出場100試合に届かなかったのはわずか3シーズンしかありません。
ケガに強く、長年チームの支柱として支えてこられた姿が数字で表れています。
パワフルプロ野球などのゲームのエキストラキャラクターとしてもシリーズによっては登場するかも?
第6位 野村克也
打率 .277
通算打率ランキングで第6位にランクインしたのは誰もが認める「打てるキャッチャー」野村克也捕手。
解説や名監督としてもご存知の方が多いのではないでしょうか。
実働26年で、打率3割を超えたシーズンがなんと6度もあります。
ホームラン数や打点数の高さは言うまでもありませんが、なんと日本のプロ野球で最も多く打席に立っているのが野村克也捕手なのです。
また犠牲フライの数もNPB史上最多です。
捕手として唯一三冠王に輝いた、まさにキャッチャーでも打てるということを自らの力で証明した、正真正銘の打てるキャッチャーです。
第5位 白仁天(ペク・インチョン)
打率 .278
第5位は韓国出身のプロ野球選手、白仁天(ペク・インチョン)捕手です。
田淵幸一捕手や木俣達彦捕手らと同時期に活躍された選手です。
主に現在の北海道日本ハムファイターズや埼玉西武ライオンズ、千葉ロッテマリーンズなどで19年間も日本で活躍されました。
1975年に首位打者に輝き、1979年シーズンには打率.340を記録するなど、バッティング技術の高さがうかがえる記録の保持者です。
また韓国での指導者としての経験も豊富です。
第4位 土井垣武
打率 .282
打てるキャッチャー第4位には土井垣武捕手が通算打率.282でランクイン。
土井垣捕手は、戦前からプロ野球選手として活躍されていた方で、ご存知ない方も多いかもしれませんが、通算で1400試合以上に出場し、その中で打率3割を超えたシーズンが3回もあります。
一概に現代と比較することも難しいかもしれませんが、1000試合以上に出場して.282という通算打率を叩き出していることから、やはりバッティングセンスの高さを感じます。
ここからトップ3
打てるキャッチャー通算打率ランキングトップ10も、残すところ3人になりました。
ここからは誰もが知っているであろうあの3選手が並びます。
第3位 阿部慎之助
打率 .284(現役続行中)
第3位にランクインしたのは、現在もなお現役選手としてプレーする阿部慎之助捕手。
多くの解説者が口をそろえて「天才」と語るバッティング技術は、アマチュア時代から群を抜いていたそうです。
ドラフト逆指名1位で巨人に入団すると、捕手時代は長年に渡って打撃と守備の両面でチームを牽引し続けて来られました。
2010年にシーズン44本塁打。2012年には首位打者と打点王の2冠を獲得するなど、捕手とは思えないような成績を今まで叩き出してきた間違いなく「打てるキャッチャー」です。
現在はキャッチャーを退き、ファーストを守りますがキャッチャーとしての阿部選手のインパクトは計り知れません。
ちなみにキャッチャーミット歴はハタケヤマからミズノへ切り替えられています。
第2位 古田敦也
打率 .294
「眼鏡をかけたプロ野球選手は大成しない」という風評を見事に覆したミスタースワローズこと古田敦也捕手が、打てるキャッチャー通算打率ランキング第2位にランクイン。
守備でも圧倒的な盗塁阻止率、卓越した配球理論とリードでスワローズの黄金時代をけん引されました。
プロ2年目に、落合博満氏との競争に打ち勝って首位打者のタイトルを獲得したのはあまりにも有名です。
捕手出身としては野村克也捕手の次に2000本安打を達成したことでもそのバッティング技術の高さがうかがえます。
規定打席到達で3割を超えたシーズンが8回も有り、間違いなく打てるキャッチャーの一人と言えるでしょう。
第1位 城島健司
打率 .296
打てるキャッチャーとして通算打率ランキングで第1位に輝いたのは城島健司捕手。
メジャーリーグのシアトルマリナーズに移籍する前の、ダイエー・ソフトバンク時代の活躍が特に華々しく、城島捕手は当時のソフトバンクホークスの「30本塁打カルテット」の一人でした。
打率も3割を超えたシーズンも7回あります(NPB時代の記録のみ)。
また「JOH バズーカ」でおなじみの強肩で鳴らした捕手でもあり、座ったままのスローイングはあまりにも有名です。
2003年のシーズン119打点を皮切りに、2009年のWBCでも正捕手として攻守で活躍するなど、強肩と勝負強さが光る、スーパーキャッチャーでした。
現役時代はナイキのポケット浅めのキャッチャーミットを愛用されていました。
まとめ
今回は、
1.日本のプロ野球で(MLBでの成績は含めない)、
2.通算出場試合数が1000試合を超えている捕手で、
3.通算打率を基準に、
「打てるキャッチャー」トップ10をランキングしてきました。
トップ10圏外には、11位に楽天イーグルスの嶋基宏捕手(現役続行中)や12位に2017シーズンまで千葉ロッテマリーンズで監督をされた名捕手伊東勤捕手がランクイン。
また3017の最多試合出場と2000本安打を達成した谷繁元信捕手は通算打率.230で19位という結果でした。
「打てるキャッチャー」をどう定義するかによってランキングも変わってきますが、やはりトップ3の三選手は概ね予想通りだったのではないでしょうか。
「打てるキャッチャー」が少なくなりつつあるプロ野球界ですが、今後新たに打撃でも記録を残すような「打てるキャッチャー」が現れるのを待ち望みたいですね。