矢野燿大のキャッチャーミットと捕球技術の凄さ

矢野燿大のキャッチャーミットと捕球技術の凄さ

根強い人気を誇る、ZETT矢野モデルのキャッチャーミット。

現在はカタログから外れ、矢野モデルの市販は無くなってしまいましたが、本人が引退されてからもしばらくは「プロモデル」として販売され続けました。

現在は、オーダーにおいてのみ選択が可能となっていますが、矢野モデルである「112型」ミットは、高校生から社会人まで未だに根強い人気があります。

矢野燿大 キャッチャーミット

そんな大人気の矢野モデルですが、市販モデルと限定モデルでは、実は若干仕様が異なっています。それは小指芯側の紐の露出本数ヒンジからウェブにかけての角度です。
画像を見ると、違いが分かります。

市販・オーダー仕様のタイプは露出紐が2本です(左側)。

逆に本人仕様の限定品は3本です(右側)。

これはメーカーであるZETTが直々に出している限定品のみです。

「○○スポーツショップ限定!」などのミットは大概、前者に該当します。もちろんこちらの場合も、制作を手掛けているのはZETTですが。

矢野燿大元選手ご本人のミットは後者(露出紐が3本)です。



②ヒンジからウェブにかけての角度

続いて2つ目の違いである、ヒンジからウェブにかけての角度についてです。

端的に言うと、ウェブからヒンジにかけての角度が、真っ直ぐかどうかです。

画像は強調するために、やや極端に黄色い線を引きました。

市販モデルや通常オーダー(左側)は、黄色いラインが微妙にウェブよりも右へずれている一方、本人仕様の限定品(右側)はヒンジからウェブにかけて比較的真っ直ぐ黄色いラインが通っています。

これには、「キャッチャーミットの縦型と横型の違い」が関係しています。

実は、市販モデルや通常オーダーは横型キャッチャーミットであり、本人仕様の限定品は縦型キャッチャーミットなのです。

(もちろんそれは、小指芯の紐の露出本数だけで見分けられるものではありません。)

つまり、通常オーダーで矢野モデルである「112型」を基にキャッチャーミットを選択されている方は、横型のキャッチャーミットを選んでいるということになりますので、縦型のキャッチャーミットを使いたい方は、別のモデル(矢野モデル以外の縦型キャッチャーミット)を選択されることをオススメ致します。



矢野選手の捕球技術

ここからは、矢野選手の捕球技術について。

一点だけで捕球する高い技術

矢野選手はなんと言っても、常に捕球面の一点(同じポケット位置)でボールを捕球する技術に長けていたそうです。

矢野選手が実際に使用したミットは一か所しか捕球跡がないとか。

常に一点で捕球できたというのは、ボールに対するミットの角度や、捕球姿勢、ミットとボールとの距離感、手首の使い方などいろいろな要因があるのですが、なにより矢野選手の捕球技術の高さを証明しています。

古田モデルと矢野モデルの関係

プロ入り当時、キャッチャーとして絶対的な存在として君臨していたのが、ヤクルトスワローズの古田敦也選手です。

同じZETTのキャッチャーミットを使い、攻守ともに球界トップクラスの活躍をされていました。

そんな古田選手が使うキャッチャーミットがどんなものかと、矢野選手も古田選手と全く同じ型のミットをZETTへ制作を依頼したそうです。

しかし、古田モデルのミットは矢野選手には大きく感じたらしく、最終的には古田選手のミットよりも約1cmほど全体を小さくしてもらったとのこと。

つまり古田モデルをベースに、小さく仕上げたのが矢野モデルということになります。

しかし、1cm小さくしたことによって、型も大きく変化しました。

古田モデルは横型の代表格、矢野モデルは縦型の代表格と言われているほど、そのタイプは正反対です。

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