「逆トジ」

野球のグラブを購入したことがある人なら、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

でも意外と、逆トジってなんだ?と思っている人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、野球のグラブの「逆トジ」とは何かについてまとめていきたいと思います。




逆トジの「トジ」とはどこなのか?

「トジ」とは、グラブの”アゴ”と呼ばれる部分の紐のトジ方(紐の向き)を指します。

アゴとは画像↓で、黄色線で囲った以下の部分です。

逆トジ グラブ

逆トジと順トジがある

トジ方の向きは、一般的に「逆トジ」と、「順トジ」が存在します。

20年以上前は「順トジ」のグラブが主流でしたが、徐々に逆トジのグラブも内野手用グラブを中心に普及しつつあります。

右投げ用グラブの場合、捕球面を正面に向けた時、画像の部分の紐が斜め左方向(\)を向いて通されているトジ方を「逆トジ」と呼びます。

逆トジ グラブ 

反対に、画像の部分の紐が斜め右方向(/)を向いて通されているトジ方を「順トジ」と呼びます。

逆トジ グラブ

左投げ用グラブの場合は、逆トジ、順トジが、右投げ用グラブの向きと、それぞれ逆向きになります。

逆トジのメリット

次に逆トジの特徴について、メリットデメリットそれぞれの観点から考えて生きます。

逆トジ グラブ 

まずメリットについて考えて生きます。逆トジのメリットは大きく2つです。

グラブに親指の力が伝わりやすい

逆トジのグラブは、順トジのグラブに比べて親指の力をグラブへ伝えやすいです。

別の表現をすると、「親指を効かせやすい」「親指が立つ」なんて言われたりもします。

なかなか曖昧な表現になってしまいますが、素手で何かを掴む時に近いと言えるかもしれません。

素手で何かを掴む時は、親指の存在が欠かせません。

なぜなら親指は唯一、他の4本の指の反対側に存在しているからです。

ハサミやトングも何かの対象を捉える(切ったり、挟んだりする)とき、2か所のパーツが機能してその対象を捉えます。

手、またはちグラブの場合も全く同じです。

ボールをキャッチするとき、親指なしに捕球するのは不可能に近いです。

仮に親指があっても、その親指を曲げたり伸ばしたり機能させられなかったら捕球が非常に困難です。

なぜ逆トジにすると親指に力が伝わりやすいのか

ではなぜ、逆トジにすると、親指への力が伝わりやすくなるのでしょうか。それはトジ方によって、グラブに加わる力の向きが順トジの逆になるからです。

順トジで巻くと、以下のような力の向きになります。

逆トジ グラブ

反対に、逆トジで巻くと、以下のような力の向きになります。

逆トジ グラブグラブに加わる力の向きが、逆トジにすることで、順トジでは手の甲側に引っ張られていた親指が、手の平方向へ倒れるようになります。

このように逆トジにすることによって、順トジの時よりも親指の力がグラブ(捕球面)に伝わりやすくなります。

ポケットの位置が小指側にズレる

順トジで手の甲側へ引っ張られていた親指が、逆トジによって手の平側へ倒れやすくなることによって、反対に人差し指~小指の4本の指が手の甲側へ引っ張られる構造になります。これが「ポケットの位置が小指側にズレる」現象です。

順巻きのポケットの位置は、親指と人差し指の根本になりがちです。↓

逆トジ グラブ 

しかし逆トジにすることによって、このポケット位置が薬指の根本あたりにシフトします。

逆トジ グラブ

逆トジのデメリットは?

逆トジ グラブ 

では次に、逆トジのデメリットについて。

グラブが閉じにくくなる

まずはグラブが閉じにくくなることが挙げられます。

これはメリットでご紹介した「グラブに親指の力が伝わりやすい」の副作用のようなものです。

逆トジというのは、別の表現をすると、グラブが「開きやすくなる」土手紐の巻き方です。

グラブが「閉じやすくなる」順トジの巻き方に比べて、グラブを閉じる(握る)のに力を要します。

なので実はそれだけ、内野手が目指す「当て捕り」がしやすくなるという意味でもあります。

したがって、「グラブが閉じにくくなる」ことは、一概にデメリットではないとも受け取れるかもしれません。

ポケットが浅くなる

逆トジのグラブは、順トジのグラブと比べてポケットが浅くなります。

浅めのポケットを好まない選手にはこれ以上ないデメリットです。

ポケットの位置が小指側(実際は薬指の根本あたり)にできやすくなる分、どうしても順トジのグラブよりもポケットの深さに欠けます。

ポケットの深いグラブでプレーしたい方は、順トジにされるのが無難でしょう。

こんなトジ方もある!両トジ機能「ボースヒール」
 

 

逆トジ グラブ

 

キャッチャーミットや、和牛革を使用していることで有名なメーカー、ハタケヤマからは「ボースヒール」という特殊なトジ方が開発されています。

逆トジと順トジの「良いとこ取り」をしたトジ方で、「開きやすく、閉じやすい」グラブになると言われています。

まとめ

今回は、逆トジを中心に、グラブのアゴ部分のトジ方についてまとめてきました。

グラブが好きで、頻繁に調べたり購入されている方でも、意外と逆トジの意味をご存知ない方が多いようだったので、まとめて参りました。

野球ショップの店員さん曰く、元々逆トジのグラブなのに、「このグラブを、『逆トジ』に加工してください!」と満面の笑みで言ってくるお客様がいらっしゃるとか。

ぜひどちらが逆トジでどちらが順トジなのかなど、少しでもご参考になれば幸いです。