ファーストミット

ウィルソン 硬式ファーストミット WTAHWQ35Dxをレビュー

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wtahwn38dx

 今回は、テニス用品でもおなじみ、Wilsonから販売されている、アメリカンタイプの硬式ファーストミットWTAHWQ35Dxについて分析してみたいと思います。

【基本スペック】

●一塁手用
●右投げ・左投げ(R)
●カラー:Eオレンジ (22)、ブラック (90)
●[表革]プロストック ステアレザー
●[裏革]共革
●[芯材]化繊
●日本製

 土手のトジは、久保田スラッガーの辻トジに近い形をしています。また、これはウィルソン全般に対する、完全に個人的な感想ですが、ウィルソンの硬式グラブ・ミットは基本的に重くないです(というより重く感じません)。

 このファーストミットも又、手にはめた初感としては、特別軽いというわけではないですが、決して重くは感じません。

ミズノにもあった!同タイプのファーストミット

 現在、このスタイルのファーストミットを販売しているメーカーは、細かい対応まで、何でも応じてくれる小さいメーカーを除いて、ウィルソンだけと言って良いでしょう。

しかし、以前は野球用品総合最大手のミズノも、似たタイプのファーストミットをオーダーにて受け付けていました。そのミットとはズバリ、『ドット・ヘルトンモデル』です。
 

 読売ジャイアンツの阿部慎之助選手が、捕手から一塁手へコンバートされた直後に使用して注目を集めました。

また、ロッテ、巨人、オリックスでも活躍した韓国の大砲、李承燁(イ・スンヨプ)選手も、このタイプのファーストミットを使用していました。




オーソドックスなファーストミットと何が違う?

 ここでは、『オーソドックスなスタイル』のファーストミットを以下の形状のミットと定義します。現在、日本で最も普及しているタイプのファーストミットでしょう。

 ウィルソンWTAHWQ35Dxは、オーソドックスなファーストミットと比べて、大きく4つの違いがあります。

1.受球面一体型であること。

ウィルソンWTAHWQ35Dxは、ブーメラン構造になっていません。

 つまり、捕球面と芯材が分離していないということです。受球面が一体であるメリットとしては、ファーストミットをトング(料理の時に使うやつです)のように操作できる点です。

 縦長の外野手用グラブのように使える、と言ってもいいかもしれません。親指と小指をしっかり立てて捕球したい選手にはピッタリです。

 対して、デメリットを挙げると、捕球スペースの「奥行き」が損なわれます。型付けを誤ると、ボールを収めるスペースを作れず、非常に捕りにくいファーストミットになるでしょう。

 しかし、逆に言うと、型付けをしっかりやれば、指がしっかりと立つ(感覚を維持してプレーできる)ので、扱いやすいのは間違いありません。

 

2.バックスタイルが違う。

 これは、一番印象的な要素ではないでしょうか。手の甲の部分のデザインが、オーソドックスなタイプとは明らかに違います。

 キャッチャーミットのように、手の甲全体を包み込むようなバックスタイルは、手とのフィット感は抜群です。

 また、手口にベルトが付いているので、自分のサイズに合わせて調整も可能です。

 逆に、オーソドックスなファーストミットと比べると、通気性を劣るかもしれません。

 

3.独特なウェブ形状

 このミットのウェブは、ツーピースに近いウェブを採用し、ミット本体の上から被せるように編まれています。

 そのためか、通常は折り返しの部分が、ヘリ革で補強されています。

 ツーピースに近い形状のウェブと、ヘリ革補強がされていることによって、新品の状態ではウェブとその周辺が非常に硬めの仕上がりになっています。

 もちろん、最初が硬いということは、耐久性が高いという裏付けとも言えます。

 

4.小指側が閉じやすい

 このファーストミットは、小指側が閉じやすいです。要因は2つあります。

 1つは、背面の中指、薬指、小指上にスリット(切れ目)が入っていることです。ハタケヤマ硬式キャッチャーミットax-002モデルのような切込みのことです。このスリットがあることによって、ミットを閉じる時非常に曲げやすくなります。

 2つ目は、土手のヒンジ部分が久保田スラッガーの「辻トジ」のように、通常のミットより多くトジ紐が成されています。元々、辻トジは、「捕球面をより大きく使うために考案」されたそうですが、筆者はこのトジ数が多いことによって、アルマジロの背中のように丸まりやすく(曲げやすく)なるのではないかと推測しています。
 

38型から35型への変更で、一体どこが変わっているのか?

 実はこのWTAHWQ35Dxには、前版があったのをご存知でしょうか?実は、このモデルの前に「WTAHWN38Dx」というミットが存在していました。

WTAHWQ35DxとWTAHWN38Dxは、見た目は全く同じです。しかし、38型から35型に変更されたことで、現状、2つの変化が確認されています。

1.サイズがコンパクトになった

 1つは、サイズです。35型は、38型を一回り小さくした設計になっているのです。そのため、手が比較的小さい日本人がはめてもフィットしやすくなっているはずです。

2.手口にマジックベルト補強

 2つ目は、マジックベルトが手口ベルトで繋がれている革の両裏側に内蔵されたことです。手口ベルトでの調整はもちろん、さらにマジックベルトでも調整をすることによって、より手にフィットし操作性が上がります。




【まとめ】

いかがだったでしょうか?高校野球やプロ野球を見ても、日本人がこのミットでファーストを守る姿はあまり見かけませんが、是非とももっと普及してほしいなと思う、カッコいい(個人的に思う)ファーストミットです。興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、是非使ってみてください。




コメント

  1. なお より:

    はじめまして

    ファーストミットについて情報が少なく非常に助かります。

    ゼットの1073型も同じようなモデルですが、特徴としては同じと考えていいでしょうか?

    あとデメリットとして、捕球スペースの奥行が損なわれるとありますが

    わかりやすく教えたいただけないでしょうか?

    ポケットの深さとは別ということでしょうか?

    よろしくお願い致します。

     

     

    1. baseballweapons より:

      コメントありがとうございます。

      ZETTの1073型との特徴の比較ですが、基本的には同じと考えられて良いと思います。
      一点、異なる部分として挙げるならば、土手部分の構造です。
      見た目からして異なりますが、ZETTの1073型の方が、WTAHWQ35Dxよりも、
      より小指と親指を効かせた(トングやピンセットのような)ミットの開閉ができると推察します。
      そのミット開閉が良いか悪いかは、ご使用者様の好みによるところが大きいと思います。


      「デメリットとして捕球スペースの奥行が損なわれる」というのは、
      ザックリと言ってしまえば、ポケットの深さと同じです。

      しかし、こちら(https://goo.gl/HNS3Ck)のミットのウェブよりも、
      あちら(https://goo.gl/Eq1UeZ)のミットウェブの方が、
      紐が通っているので、調整(紐を緩めたり締めたり)することができ、ポケットを深くも浅くもできますよね。
      (例はキャッチャーミットのウェブですが、)つまり、調整次第でミットに奥行きを持たせることができます。
      また、浅くも深くもできるということは、「ミットの使い方」に対しても「奥行き(バリエーション)」を持たせることができます。


      通常のファーストミットは、ブーメラン部分(人指し指-小指にかけてのの先端パーツ)と捕球面部分が分離しているので、
      先ほどご説明した「奥行き」をファーストミットにも持たせることが可能です。
      しかし、WTAHWQ35Dxはブーメラン部分が、捕球面部分と一体になっているため、「奥行き」を調整によって持たせることはできないです。
      なので、「ミットの使い方」に対してましても「奥行き(バリエーション)」を持たせることができません。
      そこが、筆者としては、WTAHWQ35Dxのブーメラン部分と捕球面部分が一体になっている点のデメリットであると思い、本文のように記述致しました。

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